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April 22 千年の春2・書籍◇КНИГА 49『文化の透視法―20世紀ロシア文学・芸術論集』水野忠夫, 伊東一郎, 宮澤淳一編著南雲堂フェニックス4200円 50『カラシニコフ自伝~世界一有名な銃を創った男』エレナ・ジョリー著山本知子訳朝日新書777 円 51『永続革命論』レフ・トロツキー著森田成也訳光文社古典新訳文庫880円 52『Niko PIROSMANIニコ・ピロスマニ1862~1918』文遊社5800円+税 53『ロシア~闇と魂の国家』亀山郁夫、佐藤優著文春新書788円 54『巨匠とマルガリータ(池澤夏樹個人編集世界文学全集1-05)』ミハイル・アファナーシエヴィチ・ブルガーコフ著水野忠夫訳河出書房新社2940円 55『ヴォルガ・ドイツ人~知られざるロシアの歴史』アルカージー・ゲルマン、イーゴリ・プレーヴェ著鈴木健夫・半谷史郎訳彩流社2625円 56『しずかなおはなし~世界傑作絵本シリーズ』サムイル・マルシャーク文ウラジミル・レーベデフ絵内田莉莎子訳福音館書店1155円 57『マトリョーシカちゃん~こどものとも絵本』ヴェ・ヴィクトロフ原作イ・ベロポーリスカヤ原作加古里子文・絵福音館書店840円 千年の春2・展覧会◇ВЫСТАВКА 1.「ナターリャ・トルスタヤ展」 4/21(月)~4/28(月)会期中無休 11:00 - 18:00 銀座・アトリエスズキ ★レフ・トルストイの二男イリヤの孫オレーグの長女、文豪から5代目の子孫で、ヤースナヤ・ポリャーナの「トルストイの家」博物館代表。父のオレーグ、母のタチヤーナとも画家。レフ・トルストイ作『落穂の天使』の挿絵を描いている方。ジョアン・ミロみたいな画風といえばよいでしょうか。 2.「シャガール~私の物語」展 3/29(土)~ 9/7(日)会期中無休 9:00 - 17:00箱根・ポーラ美術館 3.「モスクワ市近代美術館所蔵・シャガールからマレーヴィチまで~青春のロシア・アヴァンギャルド」展 6/21(土)~ 8/17(日)会期中無休 渋谷・Bunkamuraザ・ミュージアム ★モスクワ市近代美術館は1999年開館と歴史は浅いのですが、ソ連ではすっかり日蔭者扱いされてきたロシア・アヴァンギャルドの作品を多く所蔵しています。所蔵作品がまとめて紹介されるのは今回が初めてです。ナターリヤ・ゴンチャーロヴァ、カジミール・マレーヴィチ、それにアヴァンギャルドの枠には入りませんがニコ・ピロスマニの作品がやってきます。シャガールは上記のポーラ美術館などでしょっちゅうやっているけれど、ピロスマニに関しては実に22年ぶり! 千年の春2・映画◇КИНОФИЛЬМ 4.「ラフマニノフ~ある愛の調べ」«Ветка сирени»パーヴェル・ルンギン監督 4/19(土)~ 渋谷・Bunkamuraル・シネマ 銀座テアトルシネマ ★主演エヴゲーニー・ツィガーノフ(ラフマニノフになかなかよく似せている感じ)をはじめ美男美女が大量に登場。アメリカ人もロシア語しゃべりまくり。まあ、こういう映画があってもいいか。 10「映画の授業Leçon de Cinéma古典映画篇」 お茶の水・アテネ・フランセ文化センター 5/20(火)〜5/31(土) ①5/28(水)17:00〜「ズヴェニゴーラ」 «Звенигора»アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1928年 ②5/28(水)19:00〜「武器庫(アルセナール)」«Арсенал» アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1929年 ③5/29(木)17:40〜「アコーディオン」«Гармонь» イーゴリ・サフチェンコ監督1934年 ④5/29(木)19:00〜「うぐいす」«Соловей-соловушко» ニコライ・エック監督1936年 ⑤5/31(土)16:30〜「上海ドキュメント」«Шанхайский документ» ヤコブ・ブリオフ監督1928年 ★①②はセルゲイ・エイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」、フセヴォロド・プドフキン「母」とともにソ連無声映画の三大名作とされている「大地」のアレクサンドル・ドヴジェンコの作品。キエフに「アルセナール」というスポーツクラブがある(大概「アーセナル」と訳されてしまっていますが)のは、ドヴジェンコが取り上げたこの武器庫での蜂起を記念したソヴィエトチックなネーミングなわけです(←キエフでは「ディナモ・キエフ」が何といっても幅を利かせていて、アルセナールのファンは大変マニアックだと言えましょう)。④はソ連で初のカラー映画。⑥はソ連初の長編映画、ドキュメンタリー。 ☆11「ロシア名画祭~ソクーロフ監督特集」 5/3(土)~5/17(土)渋谷・アップリンク・ファクトリー ①「モレク神」«Молох» ②「孤独な声」«Одинокий голос человека» ③「痛ましき無関心」«Спаси и сохрани» ④「マザー、サン」«Мать и сын» ⑤「ファザー、サン」«Отец и сон» ⑥「エルミタージュ幻想」«Русский ковчег» ⑦「日陽はしづかに発酵し…」«Дни затмения» ★2月にユーロスペースであったソクーロフ特集のアンコール。 ☆12「EUフィルムデーズ2008」 5/16(金)~6/5(木) 京橋・東京国立近代美術館フィルムセンター ①「ワン・デイ・イン・ヨーロッパ」ハネス・シュテーア監督2005年ドイツ ②「君の涙ドナウに流れ~ハンガリー1956」ゴダ・クリスティナ監督2006年ハンガリー ③「人質」ライラ・バカルニニャ監督2006年ラトヴィア ④「あなたは私」クリスティヨナス・ヴィルジューナス監督2006年リトアニア ★①は拙ブログの「サッカー映画」リストで紹介していますが、5月21日のモスクワ・ルジニキスタジアムでのヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝に合わせるかのようなタイムリーな上映。親切(お節介ともいう)な豹柄おばさまはいかにもモスクワに自生していそう。②ではロシア(と映画では言っているが「ソ連」だと思う)は完全に悪役ですが、「カヴァーしろ!」「まわりこめ!」「そこでシュートだ!」等々スポーツで使うロシア語のリスニングには使えます。ソ連の水球選手たちを演じているのは現役ハンガリー代表選手たちで、とってもかっこいいです。 ☆13「白夜映画祭Ⅱ~ロシア、グルジア、そしてパリ~」 6/9(月)~7/12(土) 下高井戸シネマ(レイトショー) ①6/9(月)~6/11(水)「モスクワを歩く」«Я шагаю по Москве» ゲオルギー・ダネリヤ監督1963年 ② 6/12(木)~6/14(土)「田園詩」«Постораль» オタール・イオセリアーニ監督1976年 ③6/16(月)~6/18(水)「落葉」«Листопад» オタール・イオセリアーニ監督1966年 ④6/19(木)~6/21(土)「歌うつぐみがおりました」«Жил певчий дрозд(Ikho chachvi mgflobeli)» オタール・イオセリアーニ監督1970年 ⑤6/23(月)~6/25(水)「僕の村は戦場だった」«Иваново детство» アンドレイ・タルコフスキー監督1962年 ⑥6/26(木)~6/28(土)「愛していたが結婚しなかったアーシャ」«История Аси Клячиной, которая любила, да не вышла замуж»アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー監督1967年 ⑦6/30(月)~7/2(水)「戦争のない20日間」«Двадцать дней без войны»アレクセイ・ゲルマン監督1976年 ⑧7/3(木)~7/5(土)「道中の点検」«Проверка на дорогах» アレクセイ・ゲルマン監督1971年 ⑨7/7(月)~7/9(水)「13/ザメッティ」(13Tzameti)ゲラ・バブルアニ監督2005年フランス ⑩7/10(木)~7/11(金)「やさしい嘘」(Depuis qu'Otar est parti…)ジュリー・ベルトゥチェリ監督2003年フランス・グルジア ⑪7/12(土)「ミスター・ピリペンコと潜水艦」(Mr.Pilipenko and His Submarine)ヤン・ヒンリック・ドレーフス&レネー・ハルダー監督2006年ドイツ ★若き日の(痩せた)ミハルコフが出演している①はモスクワの青春もの。同名の挿入歌が有名。イオセリアーニはフランス在住ですが、やはりグルジア時代の③④あたりのみずみずしさがたまらなくよかった!ちなみに⑩のフランス語原題は「オタールが去ってから」ですが、イオセリアーニの助監督をしていたフランス人女性監督のイオセリアーニへのオマージュっぽい作品…と一言では片付けられません。各世代の女性たちにそれぞれ応援したくなります。⑧も傑作、お見逃しなく。 ☆14「トルストイ生誕180周年記念レフ・トルストイ原作ロシア名画フェスティバル」 7/20(日)~7/22(火) 六本木・オリベホール ①「戦争と平和」«Война и мир»セルゲイ・ボンダルチュク監督1965年他 ②「アンナ・カレーニナ」«Анна Каренина»アレクサンドル・ザルヒ監督1967年 ③「クロイツェルソナタ」«Крейцерова соната»ミハイル・シヴェイツェル監督1987年 ④「コサック」«Казаки»ワシーリー・プローニン監督1961年 ⑤「司祭セルギー(神父セルギー)」«Отец Сергий»イーゴリ・タランキン監督1978年 ⑥「Old ABC」 «Старая азбука (Письма сельского учителя Льву Николаевичу Толстому)»ヴィクトル・プロホーロフ監督1987年 ⑦「復活」«Воскресение»ミハイル・シヴェイツェル監督1960・1961年 ★①は言わずと知れた史上最大の製作費を費やした超大作。②は他国で如何に何度もリメイクが作られようと他の追随を許さぬ傑作。この映画にも出演しているマイヤ・プリセツカヤのバレエ映画もあります。「司祭セルギー」はイタリアのタヴィアーニ兄弟(「太陽は夜も輝く」(1990年))、「復活」はこれもタヴィアーニ兄弟(2001年)、「クロイツェルソナタ」はスイスのマリツィオ・シャッラ(2006年)のように、ロシア文学の映画化は近年も割と行われていますが(ソフィー・マルソーの「アンナ・カレーニナ」は問題外として)、本場のものをこの機会に是非。 千年の春2・動物園◇ЗООПАРК 1.多摩動物公園で、4月9日にユキヒョウの赤ちゃん3頭誕生。 母親:ユキ 9歳 1998年5月13日 ポーランド・ポズナニ動物園生まれ 赤ちゃんの画像はこちら→多摩動物公園のHP http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/04/20i4h400.htm シンギズ閣下のモテ男ぶりについてはこちら→読売新聞2007年8月31日 千年の春2・サッカー◇スポーツ記事でロシア語文法 ★今回はロシアプレミアリーグの首位をひた走るルビン・カザンが開幕6連勝でロシアサッカー界の記録を塗り替えたという、ガゼータ・ルーの記事より。 Семак привел «Рубин» к рекорду Казанский «Рубин» повторил рекорд чемпионатов России по футболу, одержав шестую победу подряд на старте соревнований. На этот раз команда Курбана Бердыева обыграла на своем поле пермский «Амкар» со счетом 1:0. Победный гол забил капитан «Рубина» Сергей Семак. http://sport.gazeta.ru/sport/rfc/2701507.shtml セマク、ルビンに新記録をもたらす ルビン・カザンは開幕6連勝を挙げ、ロシアリーグの記録を塗り替えた。クルバン・ベルディエフ監督率いるこのクラブは、今回はホームでアムカル・ペルミに1:0で勝利した。決勝点を挙げたのはキャプテンのセルゲイ・セマクだ。 ・одержав(副動詞)<одержать(完了体)/одерживать(不完了体)「勝利を得る」 ・шестую победу(女性単数対格)<шестая победа「6番目の勝利」 ・соревнований(中性複数生格)<соревнование「競争、競技、試合」 ここで語尾-ие型の中性名詞の格変化を復習。単数前置格と複数生格に要注意。
単数
複数
主格/対格
соревнование
соревнования
生格
соревнования
соревнований
与格
соревнованию
соревнованиям
造格
соревнованием
соревнованиями
前置格
соревновании
соревнованиях
★開幕6連勝 これまでの記録は、2002年のツェスカ・モスクワ(セマクは当時ツェスカ所属でした)と1995年のディナモ・モスクワの開幕5連勝であるようです。 ★固有名詞について クラブ名(日本語表記は原則「クラブ名+地名」となっています。): Казанский «Рубин»「ルビン・カザン」 пермский «Амкар»「アムカル・ペルミ」 地名:Казаньカザン Пермьペルミ どちらも女性名詞扱い。 人名:Курбан Бердыев ルビンの監督 Сергей Семак MF(←とは言え、「GK以外は全てのポジションを経験した」というくらい万能型の選手)。ウクライナのルガンスク出身。1997年~2006年ロシア代表。最近の所属クラブは、ツェスカ・モスクワ(1994年~2004年)→パリサンジェルマン(フランス)(2005年)→FKモスクワ(2006年~2007年)→ルビン・カザン(2008年~) April 16 千年の春1・書籍◇КНИГА ・太字は知人の著作・訳書です。よろしく!なお、敬称は略させていただきます。 1.『語学はやり直せる!』黒田龍之助著角川ONEテーマ21 720円 ★やる前から「○○語は難しい」(←ここにはロシア語やアラビア語が入る)と思い込むのはやめましょうよ。 2.『「カラマーゾフ兄弟」の翻訳をめぐって』大島一矩著光陽出版2100円 ★これまでに出された10邦訳を検討・批評、プラスご自分の試訳も添えるという、マニアックな本。小説の舞台となった小都市スターラヤ・ルッサを案内するコラムが嬉しい。 3.『スターリンと日本』ロイ・メドヴェージェフ著海野幸男訳現代思潮社2520円 4.『知るを楽しむ~この人この世界・悲劇のロシア・ドストエフスキーからショスタコーヴィチまで』亀山郁夫著NHK出版683円 ★NHK教育テレビ2・3月放映していた番組のテキスト。 5.『講座スラブ・ユーラシア学第1巻~開かれた地域研究へ―中域圏と地球化』北海道大学スラブ研究センター監修家田修編講談社2100円 6.『講座スラブ・ユーラシア学第2巻~地域認識論―多民族空間の構造と表象』北海道大学スラブ研究センター監修宇山智彦編講談社2310円 7.『講座スラブ・ユーラシア学第3巻~ユーラシア―帝国の大陸』北海道大学スラブ研究センター監修松里公孝編講談社2310円 ★5.~7.は朝日3/30掲載(酒井啓子評)。 8.『クレーメル青春譜』ギドン・クレーメル著アルファベータ2835円 ★ラトヴィア出身のヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルは、文筆活動も旺盛にしており、これまで『ちいさなヴァイオリン~ギドン・クレーメル自伝』(山本尚志・馬場広信訳リブロリポート1995年刊)『ギドン・クレーメル~琴線の触れ合い』(カールステン井口俊子訳音楽之友社1998年刊)の2冊が邦訳されています。 9.『秘の陸にて』白井知子著思潮社2520円 ★アフマートワ、ツヴェターエワの詩に導かれ、ウズベキスタンを旅した著者(詩人)による15篇の詩。 10『使える・話せる・ロシア語単語』中澤英彦著語研1575円 11『エイズの村に生まれて~命をつなぐ16歳の母・ナターシャ』後藤健二汐文社1365円 12『小さなおしろ』サムイル・ヤーコヴレヴィチ・マルシャーク著ユーリー・ワスネツォフ絵片岡みい子訳平凡社1680円 13『ソヴェト旅行』アンドレ・ジイド著小松清訳岩波文庫588円 14『肖像画・馬車』ニコライ・ゴーゴリ著平井肇訳岩波文庫420円 15『妻への手紙上』フョードル・ドストエフスキー著谷耕平訳岩波文庫798円 16『妻への手紙下』フョードル・ドストエフスキー著谷耕平訳岩波文庫840円 ★13~16は春の岩波文庫リクエスト復刊。 17『狐と狸と大統領』小林和男著NHK出版 ★NHKラジオロシア語講座テキスト巻末の連載『ジャーナリストエッセイ~ロシアを見る目』をまとめたもの。 18『ロシア・子どもの本の周辺~カスチョール第25号』「カスチョール」編集部1000円2008年刊 ★マルシャーク生誕120周年記念特集。 19『ニューエクスプレスリトアニア語』櫻井映子著白水社3150円 20『きつねとねずみ』ヴィターリー・ビアンキ著ユーリー・ヴァスネツォーフ絵田中潔訳ネット武蔵野762円 ★昨年5月に刊行されていました。 21『マーシャとくま~ロシア民話より・世界名作おはなし絵本』三木卓著片山健絵小学館1000円 ★『世界名作おはなし全集』(全12巻)の第8巻に入っていた作品を分冊・復刻したもの。 22『てぶくろ~ウクイライナ民話』すまいるママ著ソニーマガジンズ1500円(2006年) ★ラチョフの絵のロングセラーで知られるウクライナ民話。こちらは布・フェルト・毛糸・ビーズを使ったカラフルな絵本。 23『AVANTGARDE Vol.4 2008~現代ロシアンアートの50年』T.G.O.UNIVARTO1680円 ★「アーティスト50人特集」(鴻野わか菜)「ロシア現代美術紀行」(沼野充義)「イリヤ・カバコフ『世界図鑑』展を実現して」(籾山昌夫)と充実した記事がつまっています。 24『愚者の知恵~トルストイ「イワンの馬鹿」という生き方』松田宗鳳著講談社+α新書880円 25『未完のロシア~十世紀から現代まで』エレーヌ・カレール=ダンコース著谷口侑訳藤原書店 26『プーチンのエネルギー戦略』木村汎著北星堂書店1995円 27『ガスプロムが東電を買収する日』中津孝司著ビジネス社(2007年10月刊) 28『ロシアの経済と行政~規律ある市場経済の創造をめざして OECD対ロシア規制改革審査報告書』OECD編平井文三訳明石書店3990円 ★経済やエネルギー関連の本が急に増えているような気がします。10月のユーラシア・ブックレットも5冊中2冊(56『ガスプロム~ロシア資源外交の背景―ユーラシア・ブックレット№111』と58『エネルギー安全保障~ロシアとEUの対話―ユーラシア・ブックレット№113』)がそうでしたし。 29『旅のコラージュ~バルト3国の雑貨と暮らし』les deux著ピエブックス1764円(2007年2月刊) 30『ロシアの市民意識と政治』横手慎二・上野俊彦編慶應義塾大学出版会 31『諸国物語』アントン・チェーホフ他著原卓也他訳ポプラ社6930円 ★世界の文豪の21篇の短編集のうち、ロシア文学からは4篇。「かけ」アントン・チェーホフ著原卓也訳、「三つの死」レフ・トルストイ著中村白葉訳、「鰐」フョードル・ドストエフスキー著米川正夫訳、「片恋」イワン・ツルゲーネフ著二葉亭四迷訳。 32『地下室の批評家(新装版)』ルネ・ジラール著織田年和訳白水社3570円 33『ロシア語で読む星の王子さま』サン=テグジュペリ原著ノーラ・ガリ ロシア語訳八島雅彦訳注東洋書店2415円 34『使える・話せるロシア語単語』中澤英彦著語研 35『中央アジアのイスラーム~世界史リブレット70』濱田正美著山川出版社765円 36『スラヴ世界のイースター・エッグ~ピーサンキからインペリアル・エッグまで』栗原典子著東洋書店1890円 37『宣教師ニコライと明治日本』中村健之介著岩波新書819円(アンコール復刊) 38『プーシキン詩集』アレクサンドル・プーシキン著金子幸彦訳岩波文庫630円(4/16重版) 39『ロシア・ソビエト文学教育史研究』浜本純逸著渓水社7350円 40『「今のロシア」がわかる本』畔蒜泰助著三笠書房知的生きかた文庫560円 41『ラブストーリーセレクション(1)初恋』赤木かん子編ポプラ社1050円 ★全10巻の『ラブストーリーセレクション』の第1巻であるこれに、泡坂妻夫『六代目のねえさん』、水野英子『初恋』、ジョン・ゴールズワージ『リンゴの木』他全6編の初恋の話、の「他」3編のどれかにロシア文学の何かが収録されているらしい。「初恋」と言って最初に思いつくのはイワン・トゥルゲーネフのあれですが、ポプラ社は最近「創業60周年記念特別企画」で世界文学アンソロジーとして『諸国物語』を発行して、その中に二葉亭四迷訳の『片恋』が入っているからなあ。 42『ロシアとモンゴル~中世ロシアへのモンゴルの衝撃』チャールズ・J.ハルパリン著中村正己訳図書新聞2940円 43『ゴルバチョフ・ファクター』アーチー・ブラウン著小泉直美、角田安正訳藤原書店7140円 44『ロシア体育・スポーツトレーニングの理論と方法論』レフ・パヴロヴィチ・マトヴェイエフ著魚住広信、佐藤雄亮訳ナップ5250円 45『強権と不安の超大国・ロシア~旧ソ連諸国から見た「光と影」』廣瀬陽子著光文社新書 819円 46『ユーラシア大陸横断鉄道の旅~父と娘の45日間』金田克彦著星雲社1260円 47『ライサという名の妻』高橋たか子著女子パウロ会2310円 48『慣習経済と市場・開発~ウズベキスタンの共同体にみる機能と構造』樋渡雅人著東京大学出版会6720円千年の春1・映画その2先ほどの記事が文字数オーバーになってしまったので、分割しました。
6.「ここに幸あり」オタール・イオセリアーニ監督フランス・イタリア・ロシア2006年 4/26~5/2 下高井戸シネマ 7.本橋誠一監督作品「ナージャの村」«Надежда»1997年日本・ベラルーシ、「アレクセイと泉」«Алексей и крыница»2002年日本 4/26~5/2 ポレポレ東中野 8.「ひばり農園」«La masseria delle allodole»パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督2007年イタリア イタリア映画祭2008のDプログラム。 5/3(祝)18:20 5/6(祝)10:20 有楽町朝日ホール ★原作『ひばり館』(アントニア・アルスラン著草皆伸子訳早川書房2006年刊)。1915年のトルコによるアルメニア人大虐殺の話。イスラエル在住のパレスティナ人俳優ムハンマド・バクリは、これまでいろいろな民族の人を演じてきたけれど、今回はアルメニア人一家を助けるトルコ人物乞いの役。 9.「牡牛座~レーニンの肖像」«Телец»アレクサンドル・ソクーロフ監督2000年 下高井戸シネマ 5/19(月)~5/24(土)レイトショー 6/7(土)~6/13(金)モーニングショー ★レーニンの最晩年のある一日を容赦なく描いたもので、これまで日本では上映機会がなかなかありませんでしたが、「モレク神」のヒトラー、「太陽」の昭和天皇裕仁と並ぶ、<20世紀を代表する人物の3部作>(のはずが、トーマス・マンを描くものも作って4部作になるらしい)の2作目。レーニン役のレオニード・モズゴヴォイは「ストーン~クリミアの亡霊」ではアントン・チェーホフ、「モレク神」ではヒトラーを演じています。 10「映画の授業Leçon de Cinéma古典映画篇」 お茶の水・アテネ・フランセ文化センター 5/20(火)〜5/31(土) ①5/28(水)17:00〜「ズヴェニゴーラ」 «Звенигора»アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1928年 ②5/28(水)19:00〜「武器庫(アルセナール)」«Арсенал» アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1929年 ③5/29(木)17:40〜「アコーディオン」«Гармонь» イーゴリ・サフチェンコ監督1934年 ④5/29(木)19:00〜「うぐいす」«Соловей-соловушко» ニコライ・エック監督1936年 ⑤5/31(土)16:30〜「上海ドキュメント」«Шанхайский документ» ヤコブ・ブリオフ監督1928年 千年の春1・映画その1◇КИНОФИЛЬМ 1.「モンゴル」«Монгол»セルゲイ・ボドロフ(父)監督ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル2007年 丸の内TOEI①、新宿バルト9、渋谷TOEI①、お台場シネマメディアージュ、楽天地シネマズ錦糸町、上野スタームービー、T.ジョイ大泉、品川プリンスシネマ、TOHOシネマズ西新井、ユナイテッド・シネマとしまえん、ワーナー・マイカル板橋、立川シネマシティ、ワーナー・マイカルむさし野ミュー、MOVIX昭島等で上映中(~4/30?) ★説明するまでもなく、浅野忠信主演でアメリカのアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで急に話題になって、日本公開も決まった作品。監督はロシア人のボドロフ(アメリカ在住ですが)、主演が日本人の浅野、敵役のスン・ホンレイ(「初恋のきた道」)が中国人、最大出資がドイツ資本という、モンゴル人が観たらどう思うのかという気もする映画。セリフも厳密にはモンゴル語ではなく内モンゴル方面の言葉であるらしい。 2.「バレエ・リュス~踊る歓び、生きる歓び」ダニエル・ゲラー、デイナー・ゴールドファイン監督2000年アメリカ ~5/9 恵比寿・東京都写真美術館ホール(モーニングショー) 5/17~下高井戸シネマ 3.「どん底」«До дне»ジャン・ルノワール監督1936年(フランス) 4/11(金)15:00 4/20(日)16:00 4/23(水)15:00 京橋・東京国立近代美術館フィルムセンターでの「ルノワール+ルノワール展」開催記念「ジャン・ルノワール映画の世界」にて上映 ★マキシム・ゴーリキー原作。巨匠ルノワール監督がルイ・ジューヴェ、ジャン・ギャバンを起用して制作した名画。 4.「ラフマニノフ~ある愛の調べ」«Ветка сирени»パーヴェル・ルンギン監督 4/19(土)~ 渋谷・Bunkamuraル・シネマ 銀座テアトルシネマ ★ルンギン監督は「タクシー・ブルース」はとにかく、「ラヴィアン・ローズ」にはがっかりした覚えが。主演エヴゲーニー・ツィガーノフは、「宇宙を夢見て」「ピーテルFM」(日本未公開)などに出演。 5.ソビエトアニメ劇場 4/26(土)~5/16(金) 吉祥寺・バウスシアター Aプロ(アニマル) ①「キリン」«Зираф»ラオ・ヘイドメッツ監督1986年 ②「戦争」«Вайна»リホ・ウント、ハルディ・ヴォルメル監督1987年 ③「ハエとゴキブリ」リホ・ウント、ハルディ・ヴォルメル監督1986年 ④「雄牛」«Бык»ヴァルテル・ウースベルグ監督1984年 ⑤「穴熊と月」I.ダニロフ、G.キスタロフ監督1981年 ⑥「コウノ鳥のキーチ」L.ドムニン1971年 ⑦「野原」«Поле»レイン・ラーマット監督1978年 ⑧「猟師」«Стерлок»レイン・ラーマット監督1976年 Bプロ(アイロニー) ⑨「つくり話」プリート・パルン監督1984年 ⑩「草上の朝食」 «Завтрак на тарве»プリート・パルン監督1987年 ⑪「パパ・カルロ劇場」«Театр Папы Карло»ラオ・ヘイドメッツ監督1988年 ⑫「ジャンプ」アヴォ・パイスティーク監督1985年 ⑬「ペスト」ダヴィット・タカイシヴィリ監督1983年 ⑭「地獄 «Ад»レイン・ラーマット監督1983年 ⑮「シティー」«Город»レイン・ラーマット監督1988年 Cプロ(ファンタジー) ⑯「ミトン」(旧題「手袋」)«Варежка»ロマン・カチャーノフ監督1968年 ⑰「レター」(旧題「手紙」)«Письмо»ロマン・カチャーノフ監督1970年 ⑱「ママ」«Мама»ロマン・カチャーノフ監督1970年 ⑲「最後の一葉」«Последный лист»アーノルド・プロヴス監督1984年 ⑳「夢」«Сон»アーノルド・プロヴス監督1983年 21「コサックの幸福」 «Как казаки на свадьбе гуляли»?ウラジーミル・ダフノ監督1969年 22「雨はやさしく…」«Будет ласковый дождь»ナジム・トゥラフジャエフ監督1984年 Dプロ(ノスタルジー) 23「ガイドゥーク」«Гайдук»ユーリー・カツァプ、レオニード・ゴロホ1985年 24「ビッグ・テイル」«Большой тыл»レイン・ラーマット監督1980年 25「魔法にかけられた島」 «Заколдованный остров»ハルディ・ヴォルメル、リホ・ウント監督1985年 26「夜」«Ночь»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1984年 27「カプリッチオ(綺想曲)」«Карриччио»イーゴリ・ヴォルチェク監督1986年 28「祖国の樹」 «Дерево родины»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1987年 29「飛翔」ライン・ラーマット監督1973年 30「人になるには」«Как стать человеком?»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1988年 ★各作品についての解説については、拙ブログをご覧ください。 http://cid-2f7a1470ceac9db1.spaces.live.com/blog/cns!2F7A1470CEAC9DB1!1129.entry バウスシアターの紹介より詳しく書いたつもりです。
April 15 千年の春1・サッカー◇スポーツ記事でロシア語文法 ★この項の露文は、スポーツ記事(基本的にはサッカー)から、①短文である②選手名等固有名詞が入っていて親しみやすい③初歩文法事項が学べる、を基準に選んでいます。ロシアのスポーツ記事は、日本のスポーツ新聞みたいにオヤジギャク満載というわけではなく、案外古典文学などからの本歌取りが多く、文法以外の知識も要求され、結構大変な面もあります。でも、ヨーロッパの情報は日本語のサッカーサイトより早いので、慣れれば便利です。 ★スポーツ記事の特徴は、副動詞・形動詞がよく使われることなどですが、何と言っても<数が頻繁に出てくる>という点でしょう。数詞が苦手な人には辛いけれどもよいトレーニングになります。 Первый Блохин комом «Луч-Энергия» и «Москва» сыграли вничью со счетом 1:1 в рамках первого тура чемпионата России. http://sport.gazeta.ru/sport/rfc/2669168.shtml 見出し「最初のブロヒン、塊になる」(=ブロヒン、初戦を勝利で飾れず) 本文「ロシアプレミアリーグ第1節、ルチ・エネルギア対FKモスクワの試合は1:1の引き分けであった。」
★第一回はスタートダッシュが上手くいかなかった場合の言い訳(または慰め)の言葉を覚えましょう。「最初のブリンはいつも塊になって上手く焼けない(Первый блин всегда комом.)→最初にやることに失敗はつきもの」 ・блин(ブリン) ホットケーキ或いはクレープみたいな食べ物。 ・комом(造格)<ком ・Блохин オレーグ・ブロヒン(初代<ウクライナの矢>(二代目はアンドリー・シェフチェンコ)、元ウクライナ代表監督(2006年ワールドカップベスト16、しかしユーロ2008では予選敗退)、先日FKモスクワの監督に就任) 「ブロヒン」Блохинから-ох-をとると「ブリン」блинになるので、駄洒落見出しにしたわけです。 ※応用編1:Первый блин оказался комом....「最初に焼くブリンはだまになるっていうけど、やっぱりそうだとわかった、いいプレイができなかった」 ロシアスーパーカップ決勝で敗れたロコモチフ・モスクワの選手、ドミトリー・スィチョフが自分のブログで(注:これは別に駄洒落ではない)。 ※応用編2:ついでに覚えよう、блин関係の言い回し ・Тот же блин, да на другом блюде.同じブリンが別のお皿に載っただけ→形は違っても中身は変わらない ・Без блина -- не масленица.ブリンがなければマースレニッツァ(カーニバル)にはならない→肝心なものが欠けている ・печь как блиныブリヌィ(ブリンの複数形)を焼くように=てっとり早く(ぞんざいに)大量にこしらえる ★第一回は、短文で、数詞も取り上げませんでした。しかも上で否定したオヤジギャグ(の解説に終始して、文法の解説をしていない)。どうかご容赦を。
April 05 千年の春1映画・ソビエトアニメ劇場4月8日発行予定の「千年の春」第1号を編集中ですが、バウスシアターの「ソビエトアニメ劇場」について書いていたら、それだけで5ページ近くになってしまいました。
そんなに長々しいと、プリントするのも大変で、読み通すのも大変で、配っても迷惑なだけになりそうなので、授業で配布する紙媒体上ではタイトルのみにして、詳細はこのブログに載せることにしました。
PCをお持ちでないクラスメイトの方たちについては、ご要望があればプリントするということにしましょう。
原題(というかロシア語でのタイトル)はわかる限り載せるようにしています。
◇КИНОФИЛЬМ
4.ソビエトアニメ劇場
4/26(土)~5/16(金) 吉祥寺・バウスシアター
久々にバウスシアターで催される、ソ連時代に製作されたアニメーションの特集上映。昨今は「ロシア・アニメ」と称されることが多くなっていますが、この特集上映を観ても、エストニア(①②③④⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑭⑮2529)・モルドヴァ(⑥23)・カザフ(⑤)・グルジア(⑬)、ラトヴィア(⑲⑳)、ウクライナ(21)、ウズベク(22)、ベラルーシ(27)と、各共和国のスタジオでも盛んに良質のアニメーションが作られていて、決してロシアだけがアニメーション大国だったのではないことがわかります。現在、これら旧ソ連構成諸国のアニメーション制作がどうなっているのか、パルンが精力的に活動しているエストニア以外は不明なところが、気がかりでならないのですが。
Aプロ(アニマル)
①「キリン」«Зираф»ラオ・ヘイドメッツ監督1986年
★ポーランドのスワヴォーミル・ムロージェックの短編『象』(国書刊行会1991年)みたいな、いや、こっちのラストはムロージェックよりもメルヘンかな?脚本はプリート・パルン。
②「戦争」«Вайна»リホ・ウント、ハルディ・ヴォルメル監督1987年
★廃墟の中のカラス、ネズミ、コウモリの暮らしは、ふとした悪意から互いの憎悪、そして滅亡へ…。88年上海国際アニメ映画祭第2賞受賞作。
③「ハエとゴキブリ」リホ・ウント、ハルディ・ヴォルメル監督1986年
★エストニアの古典文学A.タムサームの短編集『ハエとゴキブリとクモ』をモチーフにしています。
④「雄牛」«Бык»ヴァルテル・ウースベルグ監督1984年
★ラーマット(⑦⑧)の「地獄」(⑭)で美術を担当したウースベルグのデビュー作。ラーマットが脚本を担当。85年オーバーハウゼン国際短編映画祭アニメ部門グランプリ受賞作。村中で愛され大切に育てられた仔牛が巨大化して遂には村人達の土地を荒らし始める、皮肉な寓意が込められた作品。
⑤「穴熊と月」I.ダニロフ、G.キスタロフ監督1981年
★このプログラム中唯一お子様も安心のほっとする可愛いアニメ。ママの誕生日のプレゼント、周囲の動物に相談し、考えに考えて、月にしようと決心した穴熊くん、動揺したときの表情が愛くるしい。
⑥「コウノ鳥のキーチ」L.ドムニン1971年
★モルドヴァフィルムの作品ですが、未見(だと思う)。ヨーロッパ中部に多く生息し、アンゲロプロス監督作品「こうのとり、たちずさんで」などの映画にもしばしば出てくるこのツルかサギのような鳥、便宜上「コウノトリ」と訳されていることが多いのですが、実は近縁種のシュバシコウ。コウノトリは東アジアにしか生息していません。
⑦「野原」«Поле»レイン・ラーマット監督1978年
★「猟師」「氷原のアンテナ」«Антенны среди льду»とともに三部作をなす作品。
⑧「猟師」«Стерлок»レイン・ラーマット監督1976年
★三部作の一作目(だから⑦より先に上映してほしいですね)。77年オーゼンハウゼン国際短編映画祭名誉賞、クラコフ国際映画祭特別賞、全ソ映画祭第一賞受賞作品。
Bプロ(アイロニー)
⑨「つくり話」(エストニア語原題:«AEG MAHA»)プリート・パルン監督1984年
★猫?のキャラクターがやたらとおまぬけ!奇想天外な展開がシュール!パルンは大学では生物学専攻で、ソ連科学アカデミー動植物研究所に勤めていたそうです。(監督名は、バウスシアターのサイトでは「プリート・ピャルン」となっていますが、近年のエストニア・アニメーションでの表記では「プリート・パルン」になっていますので、ここでは「パルン」という表記に統一します。)
⑩「草上の朝食」 «Завтрак на тарве»プリート・パルン監督1987年
★言わずと知れたエドゥワール・マネの絵画と1920年代に活躍したダニイル・ハルムスの小説をモチーフにし、当時のソ連社会を辛辣に諷刺しているのか?とも思える作品(しかし、「つくり話」のパルンですからね、あまり肩肘張らないで楽しみましょう)。
⑪「パパ・カルロ劇場」«Театр Папы Карло»ラオ・ヘイドメッツ監督1988年
★マリオネット劇の劇中劇形式で、痛烈に人間社会の嘘や暴力を暴いている、妙に既視感のある、エストニア・アニメ独特の気味悪さ満載(特にラスト)の作品。
⑫「ジャンプ」アヴォ・パイスティーク監督1985年
★同名の手塚治虫の愉快な小品もありましたが、こちらはなんとも切ない…。86年シュトゥットガルド国際アニメ映画祭特別賞受賞。
⑬「ペスト」ダヴィット・タカイシヴィリ監督1983年
★30歳で夭折した(89年)タカイシヴィリのデビュー作。ファシズムの脅威を訴えた作品と言われています。
⑭「地獄 «Ад»レイン・ラーマット監督1983年
★エストニアの画家エドアルド・ヴィラリトが1930年代初頭に描いた3枚の版画「伝道者」「キャバレー」「地獄」をモチーフにした、デカダンスの色濃い第二次世界大戦前夜に漂っていた死と恐怖の予感を表わしています。なので、これもグロテスク!84年ロンドン国際映画祭アニメ部門特別賞、全ソ映画祭第一賞、85年アヌシー国際アニメ映画祭審査員特別賞、FIPRESSI賞受賞。
⑮「シティー」«Город»レイン・ラーマット監督1988年
★資本主義批判?にも見える。団結・協力が物質欲で崩れ去る(わかりやす)。
Cプロ(ファンタジー)
⑯「ミトン」(旧題「手袋」)«Варежка»ロマン・カチャーノフ監督1968年
★犬を飼いたい団地住まいの女の子、お母さんには「だめ!」と言われてしまいますが…。星の数ほどあるアニメーションの中でも一番好きな作品かもしれません。
⑰「レター」(旧題「手紙」)«Письмо»ロマン・カチャーノフ監督1970年
★「手袋」ではインテリっぽいお母さん、「ママ」はミニスカートの似合う若くてきれいなお母さん、そしてこの作品に登場するのは貞淑な妻といった感じのコンサバなお母さん。母についてはいろいろ描き分けるカチャーノフですが、作品でお父さんが登場するのはこれだけ(それも肖像画の中だけですが)。
⑱「ママ」«Мама»ロマン・カチャーノフ監督1970年
★この腕白小僧はかつてのカチャーノフ監督、または息子さん(同名で、ロマン・カチャーノフ。現在、映画監督になっています)を投影したものなのではないでしょうか?お母さんにえらく苦労かけたのでしょうね。
⑲「最後の一葉」«Последный лист»アーノルド・プロヴス監督1984年
★オー・ヘンリーの短編のアニメ化。アメリカっぽい雰囲気を出そうとしているのが微笑ましい感じ。
⑳「夢」«Мечта»アーノルド・プロヴス監督1983年
★こちらもオー・ヘンリー原作で、主人公がチャップリンの形象となっております。ロシア・アニメでは、ニーナ・ショーリナ監督作品に同名の「夢」(88年)があります。
21「コサックの幸福」 «Как казаки на свадьбе гуляли»?ウラジーミル・ダフノ監督1969年
★「3人のコサック」シリーズ作品。このシリーズの最高傑作は、「コサックのサッカー」«Как казаки в футбол играли»と、サッカーファンの私は断じていますが。実はコサックたち、三人ともちゃんと名前はつけられているそうです。このコサックくんは馬が欲しがっていたのですが、つかんだ幸福とは…?
22「雨はやさしく…」«Будет ласковый дождь»ナジム・トゥラフジャエフ監督1984年
★原作はレイ・ブラッドベリのSF『優しく雨は降りしきる』。SF=ファンタジーなのでこの枠に入れたのかもしれませんが、他の作品のようにほのぼのとさせるものではありません。冷戦・核戦争・核の冬が喧伝されていた80年代を彷彿させる良品です。特にウズベクあたりはソ連の核実験場などもあって(有名なのはカザフのセミパラチンスクですが)現実的な意味もあったかと思われます。
Dプロ(ノスタルジー)
23「ガイドゥーク」«Гайдук»ユーリー・カツァプ、レオニード・ゴロホ1985年
★ロシア語読みで「ガイドゥーク」になっていますが、南スラヴに伝わる民族英雄ないし伝説の義賊、武装パルチザンのハイドゥクのことです(サッカーファンだとクロアチアの強豪クラブ、ハイドゥク・スプリトを思い浮かべることでしょう)。86年カンヌ国際映画祭短編部門グランプリ受賞。
24「ビッグ・テイル」«Большой тыл»レイン・ラーマット監督1980年
★これも民族英雄の悲劇的なストーリー。美術は高名な画家Yu.アラック。81年ヴァルナ国際アニメ映画祭第1等、全ソ映画祭第1等、82年オタワ国際アニメ映画祭第2等受賞。
25「魔法にかけられた島」 «Заколдованный остров»ハルディ・ヴォルメル、リホ・ウント監督1985年
★エストニアのコンビの第二作ですが、ストーリーはチュクチ半島(アラスカと対峙するユーラシア大陸の最東端)の民話から。メタリックな質感の折り紙みたいなパペットが新鮮な魅力。タイトルがバウスシアターのサイトでは「魔法にかけられた鳥」となっていますが、「鳥」ではなく「島」です。
26「夜」«Ночь»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1984年
★ペトケーヴィチの卒業制作。ユーリー・ノルシュテインが芸術指導をしている。且つ美術監督がアレクサンドル・ペトロフ。原作はアンドレイ・プラトーノフ『鉄ばあさん』『地上の花』。86年シカゴ国際映画祭アニメ部門第2賞受賞。
27「カプリッチオ(綺想曲)」«Карриччио»イーゴリ・ヴォルチェク監督1986年
★ヴォルチェクは元々ベラルーシの高等音楽院ピアノ科出身。自分で弾いているのか?(未確認)。87年ヴァルナ国際アニメ映画祭第1賞、マンハイム映画祭金賞受賞。タイトルがバウスシアターのサイトでは「プリッチオ」となっていますが、「カプリッチオ」ですので。
28「祖国の樹」 «Дерево родины»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1987年
★未見なのか、覚えていないのか。
29「飛翔」レイン・ラーマット監督1973年
★ギリシア神話のイカルスの話。1974年ザグレブ国際アニメ映画祭審査員賞受賞。
30「人になるには」«Как стать человеком?»ウラジーミル・ペトケーヴィチ監督1988年
★ペトケーヴィチのグロさが前面に出てきた、いかにもペレストロイカ時代といった趣の、全体主義批判めいた作品。
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